「受」と「授」の違いは、受ける側か、相手に与える・教える側かで判断できます。「受」「授」の意味や使い分け、てへんがつく理由を整理し、「享受」「教授」「授業」などの熟語と例文から、迷いやすい漢字の見分け方を初心者向けに分かりやすく解説します。
「受」と「授」の違いとは?

「受」は、何かを受け取る・受け入れることを表す漢字です。一方、「授」は、相手に何かを与える・教えることを表します。「受」と「授」の違いは、「誰が受け取るのか」「誰が与えるのか」という意味の向きに注目すると分かりやすくなります。
「受」の意味と使い方
「受」には、「うける」「うけとる」「もらう」「うけ入れる」といった意味があります。漢字ペディアでは、「受信」「受領」のように何かを受け取る場合や、「受諾」「受容」のように、考えや要求などを受け入れる場合に使われると説明されています。
例えば、「試験を受ける」「賞を受ける」「注文を受ける」のように、自分の側が何かを受ける場面で使います。
代表的な熟語には、「受験」「受賞」「受信」「受領」「享受」などがあります。いずれも、何かを受けたり、受け取ったりする意味が中心です。
「受」と「授」の使い分けで迷ったときは、「受ける」「受け取る」と言い換えられるかを確認すると判断しやすくなります。
「授」の意味と「てへん」がつく理由
「授」には、主に「さずける」「与える」「教え伝える」という意味があります。「賞を授ける」「知識を授ける」のように、自分から相手へ何かを与える場面で使います。
「授」は、「手」を表す「てへん」と「受」からできた漢字です。漢字ペディアでは、手と「受」を組み合わせ、手で物を「さずける」意味を表す漢字で、「受」より後にできた字と説明されています。
そのため、受にてへんをつける意味は、「手を使って相手に渡す・授ける」という成り立ちから理解できます。
「授与」「授業」「教授」なども、「相手に与える」「教える」という意味につながっています。受と授の漢字の見分け方として、「受=受ける側」「授=与える側」と整理すると使い分けやすくなります。
「享受」「教授」「授業」で違いを確認

「受」と「授」の違いは、実際の熟語で確認すると理解しやすくなります。
「享受」では「受」が使われ、「教授」「授業」では「授」が使われています。どちらを使うかは、受ける意味が中心なのか、相手に与える・教える意味が中心なのかで判断できます。
「享受」は利益や恩恵などを受ける意味
「享受」は、利益や恩恵、権利などを受け、それを自分のものとして味わうことを表す言葉です。
例えば、「自然の恩恵を享受する」「自由を享受する」「経済発展の利益を享受する」のように使います。ここで使われる「受」は、何かを受け取る、受け入れるという意味につながっています。
「享受」は、物を直接受け取る場合だけでなく、利益や恩恵、権利など、目に見えないものを受ける場合にも使われます。
「受」と「授」の違いで迷ったときは、「享受」は恩恵などを受ける言葉なので、「授」ではなく「受」を使うと判断できます。
「教授」「授業」は知識を授ける意味がもとになる
「教授」は、学問や技術などを教え授けることを表します。また、大学などの教員の職名としても使われます。
「授業」は、学校などで教師が児童・生徒・学生に知識や技能を教える活動を指します。「教授」と「授業」のどちらにも「授」が使われるのは、知識や技能を相手に授ける意味が関係しています。
例えば、「学生に専門知識を教授する」「午前中に数学の授業を受ける」のように使います。後者では、「授業」は教える活動を表しますが、学生側の動作には「受ける」を使います。
このように、「享受」「教授」「授業」を比べると、「受=受ける側」「授=与える・教える側」という使い分けを確認できます。
受についてよくある質問
「授受」とはどのような意味ですか?
「授受」は、物や権利などを「授けること」と「受け取ること」の両方を表す言葉です。「金品の授受」「データの授受」のように使われます。「授」と「受」が対になる意味を持つことが分かりやすい熟語です。
「受講」と「授業」はどう違いますか?
「受講」は、講義や講習を受けることを表します。一方、「授業」は、学校などで知識や技能を教える活動そのものを指します。そのため、学生側は「授業を受ける」「講座を受講する」と表現します。
「授かる」と「受ける」は同じ意味ですか?
完全に同じではありません。「受ける」は幅広い場面で使える一般的な表現です。「授かる」は、目上の人や神仏などから大切なものを与えられる意味で使われることが多く、「賞を授かる」「子を授かる」などの表現があります。